弁護士とは
裁判や調停など、調停が起こったときに法的な見地からその解決の手段を示す弁護士。
その仕事は、社会的には一種のステータスにもなっていますが、はたしてどのような事をする仕事なのか。
そして、どのようなときに依頼できるのかなど普通に暮らしている人にはなかなかわからない部分があります。
この記事では、弁護士とはいかなる仕事なのか、その実態についてまとめていきます。
【弁護士の資格】
弁護士は法務省の管轄である国家資格でり、弁護士資格を取得するには司法試験をパスし、司法研修所の司法修習を行わなければなりません。
【弁護士の労働環境】
◇平成20年
平均年収:801.2万円
平均月収:55.3万円
平均時給:3179.9円
年間賞与等:137.3万円
平均年齢:41.5歳
平均勤続年数:10.2年
復元労働者数:40人
総労働時間(月):174時間
このデータを見てみると年収は普通のサラリーマンより高い状態といえるでしょう。
ただし、過去のデータを見てみると平成17年には2000万円以上あったことから考えるといささか落ち込みが激しいようです。
だたし、これは数字上のことでいままで稼いでいた人が半分以下に下がったという事でありません。
近年新司法制度、法科大学院など法曹界への道が整備されたことで、弁護士人口は急激に増加しています。
新人は高い収入を稼ぐことは出来ませんし、人数が増えることで1人あたりの仕事もそれだけ少なくなります。
それが平均値という事になると大幅な平均収入の減少として表れているのです。
普通、若手が増えることどの業界でも良いことですが、需要がないのに過剰な供給をする状態では、弁護士の収入だけでなくステータスも下がることになります。
したがって、これから需要を拡大していくことが弁護士業界の課題といえます。
拡大出来るか否かはいささか見通しが困難です。
なぜなら、これからも新たに弁護士となる人が増えていくことは確実ですが、市場規模の拡大はすでに市場が円熟期にあること、景気の混迷や司法書士の職域拡大などマイナス要因があるのに対して、過払い返還など従来なかったような案件増えていることがプラス要因として上げられます。
つまり、どちらに転んでもおかしくないといえるのです。
弁護士を目指す人は、あまり弁護士イコール高収入という甘い夢を抱かずにいた方がよいでしょう。
【弁護士の業務内容】
法律相談
様々な法律案件に対して、相談内容に合わせて法的なサービスを行います。
タイムチャージで30分5000円というように料金がかかります。
ただし、 自治体、弁護士会などが主催する無料法律相談もあり、事務所の雰囲気が敷居が高いと思い、弁護士に相談することを躊躇する人が相談しやすい環境作りも行われています。
書面による鑑定
これは 内容的には法律相談と同じです。
ただし、その作業を書面にて行うことになるのでより深く、より正しく法的鑑定を行う必要が出てきます。
民事事件
民事事件は 「民法」「商法」などのいわゆる私法が適用される事件です。
弁護士は依頼人の代理・代行として、依頼者の法的権利(義務)があるか、それを裁判所が認めて貰えるか、そして実現可能かといったことを検討して、実現可能であるときに必要な法的処理を行うことになります。
刑事事件
刑事裁判において被告人(依頼人)の弁護、再審査請求、告訴などを行います。
少年事件
少年法が適用される依頼者の弁護活動、付添人活動を行います。
行政訴訟
公害や事故などで国や公共団体などを相手に各種賠償請求を起こす事です。
場合によっては複数人によってなる弁護団を組むこともあります。
知的財産権
特許や著作権など知的財産権を守るために、相談、裁判の手続き、契約書の作成などを行います。
労働事件
解雇や未払い賃金など労使関係に関する問題を解決していきます。
【司法試験の合格率】
2006年、法科大学院という構想がいいよ実現化し、裁判官や弁護士といった放送向けの専門的な教育体制制度がしたました。
それにより、その法科大学院修了者を考慮したあらなた司法試験への改正が行われることになりました。
2010年度までは法科大学院を卒業しなくても司法試験を受けられる体制をとり、それ以後は基本的には法科大学院を卒業者のみが司法試験を受けられるようになります。
ただし、大学入試における「大検」のように、その能力が法科大学院修了者と同等以上であることをしめす「司法試験予備試験」を合格することで、新司法試験の受験資格を得ることが可能となります。
しかし、問題として新司法試験に変わってからの合格率が2006年は48.3%、2007年が40.2%、2008年が33.0%、2009年が27.6%、と徐々に減少しているのです。
また、法科大学院においても合格率を50%以上となっているのは2009年の段階でわずか数校という状態で、新司法試験が目指したものが不安定になりつつあります。
【弁護士の歴史】
弁護士というのは近代法治国家において生まれた仕事かと思うかもしれませんが、その仕事にあたるものは江戸時代からありました。
江戸時代では「公事師(くじし)」と呼ばれており、法的な手続きの代行・代理を行っていました。
たとえば金銭関係や土地の領有権など民事的な争い(出入物)が起こったときの訴訟に関する手続きがそれにあたります。
しかし、刑事的な事件に関しては、吟味筋(奉行所)による訴訟なので代理人の必要性はありませんでした。
したがって、この当時の公事師はどちらかというと司法書士、行政書士に近い存在といえるでしょう。
それが明治維新以後、日本も近代化の波がきたことで、司法制度が導入され公事師は「代言人(代言人)」となります。
これが弁護士の雛形的な存在といえるでしょう。
ですが、ステータスという点ではまるっきりなく、「三百代言」、すなわち三百文というわずかなお金で仕事をするという蔑称さえありました。
それが、1893年の弁護士法制定により「弁護士」が誕生、その後1936年の法定外活動の認可、1949年の戦後新たになった弁護士法・司法試験制度により徐々に弁護士の立場は確立していき、現在のような形になりました。